院長先生のコラム

高浸透圧高血糖症候群

次に高浸透圧高血糖症候群をみてみます。これも長い名前なので、以降はHHS(hyperosmolar hyperglycemic syndromeの略)とします。

高浸透圧とは血液が濃くなることです。血液が濃くなる原因は血液中の水分が失われることです。その原因として多尿を挙げましたが、さらに脱水が加わることによってHHSが起こります脱水の主な原因は食欲の低下と嘔吐・下痢です。脱水によって浸透圧が高くなりますが、これにより血糖値はさらに高くなります。HHSは脱水と高血糖の悪循環の結果として起こるのです。

HHSはどんな人に起こりやすいのでしょうか。答えは高齢者です。高齢者はもともと体内の水分量が少なめです。また免疫力も低下しており、いろいろな病気に罹りやすくなっています。肺炎に代表される感染症は食欲の低下の原因となります。胃腸炎はさらに嘔吐や下痢を起こします。高齢者はとにかく脱水を起こしやすいので注意が必要なのです

HHSの症状はDKAほど明らかでないことが多いようです。HHSに限らず、高齢者はその病気の典型的な症状を呈しにくいからです。糖尿病の高齢者が何かおかしい、食欲も低下している、口の中が乾燥していて皮膚の張りもない。このような状況ではHHSが疑われます。

HHSはDKA以上に危険な状態です。HHSの死亡率は12~46%と報告されています。HHSは高齢者に多く、HHSのきっかけとなる病気(多くは感染症です)も関係するからです。HHSの治療はもちろん入院になります。脱水が原因なので点滴治療が中心になりますが、並行して原因となった病気の治療も行います。

 

高浸透圧高血糖症候群(HHS)

脱水が原因で、高齢者に起こりやすい。典型的な症状がみられないこともあり、疑うことが重要である。死亡率の高い危険な状態。

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