院長先生のコラム

糖尿病の診断

最初にも記しましたが、「糖尿病型=糖尿病」ではありません。では「糖尿病」がどのように診断されるかをみてみましょう。
まず血糖値とHbA1cが「糖尿病型」であれば、その時点で「糖尿病」と診断します。つまり血糖値の3つの条件(空腹時血糖、OGTT2時間値、随時血糖)のうちのいずれか1つとHbA1c 6.5%以上があれば「糖尿病」になります。
次に血糖値だけが「糖尿病型」の場合ですが、糖尿病の典型的症状か確実な糖尿病網膜症があれば糖尿病の診断になります。糖尿病の典型的症状には、多尿(夜間尿)、口渇、多飲、体重減少などがあります。血糖値が高くなると、尿中にブドウ糖が漏れるようになります(だから糖尿病なのです)。ブドウ糖には水を引っ張る性質があり、尿中にブドウ糖が漏れると尿中の水が増えます。これが多尿です。尿量がさらに増えると寝ている間にも尿をたくさん作るようになり、尿意で眼が覚めることもあります。これが夜間尿になるわけです(高齢の方の場合は糖尿病とは無関係な夜間尿もあります)。多尿になると血液は濃くなります(医学的には浸透圧が高くなるといいます)。血液中の水が尿中に移動するからです。血液が濃くなると身体は血液を元の濃度に戻そうとします。これが口渇です。口渇の結果たくさん水分を摂るようになります。これを多飲といいます。体重減少の説明は症状の項( ページ参照)に譲りますが、高血糖の際には体重は減る傾向にあります。血糖値が「糖尿病型」でこれらの症状があれば、その時点で「糖尿病」の診断になります。また血糖値が「糖尿病型」で、確実に糖尿病網膜症(糖尿病の合併症のひとつです。以降は網膜症と記します)がある場合も「糖尿病」になります。ローマは1日にして成らずということわざがありますが、網膜症も長年の高血糖の結果として起こります。つまり網膜症があれば、それだけでも強く糖尿病を疑うことができるのです。
血糖値が「糖尿病型」だけど典型的な症状も網膜症もない場合はどうなるのでしょうか。この場合は血糖値(OGTTを行うこともあります)およびHbA1cを別の日に再検査します。再検査の結果、血糖値またはHbA1cのいずれか(もちろん両方でも可)が「糖尿病型」の結果になれば、その時点で「糖尿病型」の診断になります。再検査は何度でも行います。一度でも「糖尿病型」になってしまうと、なかなかその容疑は晴れないのです。
次はHbA1cだけが「糖尿病型」の場合です。この場合も再検査になりますが、血糖値の「糖尿病型」がなければ「糖尿病」の診断には至りません。糖尿病は血糖値が高くなる病気の集まりなので、血糖値が高いことを証明できない限り糖尿病の診断もできないのです。
これで糖尿病の診断の話は終わりです。

 

糖尿病の診断

血糖値もHbA1cも「糖尿病型」の場合⇒「糖尿病」
血糖値だけが「糖尿病型」の場合⇒典型的な症状や網膜症があれば「糖尿病」、再検査で血糖値かHbA1cが「糖尿病型」であれば「糖尿病」
HbA1cだけが「糖尿病型」の場合⇒再検査で血糖値が「糖尿病型」であれば「糖尿病」
HbA1cだけで「糖尿病」の診断はできない

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